[お風呂]



今日は珍しくキラがお風呂の準備をした。
いつもは「面倒くさいよー」といってアスランに押し付けっぱなしなのだが、面白そうな入浴剤を見つけてきたらしく、進んで自分から準備を始めたのだった。


「アスラーン、お風呂はいったよー!」
「わかったー。ありがとうー」
お風呂場のほうからキラの大きな声が聞こえてきたので、アスランもやや大きな声で返事を返す。
「アスラン、もうお風呂入る?」
タオルで手を拭きながらキラがドアを抜けて入ってくる。その表情はどこか楽しそうだった。
「あぁ…そうだな。先に入らせてもらおうかな」
アスランは手元にあった読みかけの本を閉じ、入浴の準備に取り掛かろうとソファーから立ち上がる。
「あ、あのさ!」
「ん?」
いきなり、キラが声を上げた。


「久しぶりに…い、一緒にお風呂入らない?」


アスランは驚愕した。今まで何度も体を重ねてきた仲であるにも関わらず、なぜか風呂場に一緒に入ることを執拗に拒むキラから、まさかこんなお誘いを受けるとは!
「い…一緒でいいのか?」
思わず聞き返してしまうアスラン。しかしキラは
「うん!一緒に入ろうよ!」
と、まだ少し恥ずかしそうではあったが、はにかんではっきりと答えたのだった。



***



「…なるほどね」
コレがキラのお誘いの原因か、とアスランは一人納得した。
その日の浴槽の中には。
乳白色のお湯。一見するとただの入浴剤入りのお湯に見えるのだが、手を入れてみると…


とろり


まるで片栗粉でもいれてみたかのような、とろみがあるのだった。
おそらくはこの珍しい入浴剤をアスランと一緒に楽しみたかったのだろう。
下心など皆無でのキラのお誘いだろうと予測していたアスランだったが、ほんのすこしの淡い期待を持っていたのもまた事実で。
アスランは脱衣場にいるキラには聞こえないくらい小さなため息をそっとついた。


「アスラン?入るよー」
風呂場のドアを開けてキラが入ってくる。その体の前にはしっかりとタオルが握られていた。
「…タオルなんかで隠す必要ないのに。女の子じゃあるまいし」
アスランが浴槽の中からぼそりとつぶやくと、キラは真っ赤になりながら反論した。
「な!そ、そんなの女の子だろうと何だろうと、恥ずかしいものは恥ずかしいんだよっ!」
「…ふ〜ん。そう」
アスランはそっけなく答えた。
「…?アスラン?なんか怒ってる?」
「……べつに」
われながら子供っぽいな、と思いながらも、アスランは不機嫌な顔のままそっぽをむいていた。
「なに怒ってるんだよ」
キラは体をゆすぐと浴槽に入り、アスランと向かい合って入る状態に収まった。
浴槽はそれほど大きくはない標準的なサイズなので、18歳の男子二人が入るとなるとほぼ空く空間はできない。必然的に、アスランとキラはかなりぴったりとくっつくことになってしまっていた。
(う…ちょっとやばくなってきたかも…)
「…アスラン〜?」
不意打ちのキラの生足との接触に、そっぽを向いたままのアスランが自分の理性を何とか保とうと奮闘しているとは露知らず、
よりいっそう険しい表情になってしまったアスランを訝しむかのようにキラがその表情を覗き込む。
(!…これ以上くっつくなよ!)
ぐいぐいと押し付けられるキラのすべらかな肌にアスランのなけなしの理性が音を立てて崩れようとしていた…。


・・・続きます(笑)少々お待ちください★
というかあまりに唐突に始まったこの同棲モノ…2以降は裏的展開に行きそうなんですが、どうしたらいいのか!
表においておいたほうがいいですか?(え?だめ??)










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